●Q&A(1)

★質問★

僧帽弁閉鎖不全症について、おたずねします。心臓病というと心筋梗塞(こうそく)や狭心症が主な病気のようで、新聞、テレビなどでもよく目に、耳にしますが、弁膜症のことは、ほとんどありませんのでお願いします。僧帽弁閉鎖不全症の軽度・中度・重度でどの程度の運動・労働が可能なのか、静かにしていれば、進行しないものなのか、心臓が拡大していくのを防ぐ方法はないのかなど教えて下さい。よろしくお願いします。(江刺市 Kさん)

★答え★

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓にある四つの弁のうち、左房と左室の間にある僧帽弁の閉じ方が悪く、きちんと閉まらない病気で、心臓弁膜症の一つです。

 この病気では心臓が体に血液を送り出す際、一部が左房へ逆流してしまいますので、常に心臓には負担のかかった状態になっています。その原因は一つではなく、リウマチ性のほか、弁を支持している腱索の断裂や、心筋梗塞後の乳頭筋不全、拡張型、肥大型心筋症に合併しているものなどさまざまで、治療法、予後もそれによって異なります。

 軽度の場合は日常生活にはほとんど支障なく、年1回くらいの定期検査のみでよろしいですが、中度以上では重労働や激しいスポーツは避けたほうが良いでしょう。

 重症の場合は手術を考慮する必要があります。薬を服用しても弁の状態を治すことはできませんので長い経過の間には安静にしていても徐々に心臓拡大は進行します。

 一般的な治療としては強心剤、利尿剤などの薬を使いますが、病気自体を治すものではありませんので根本的な治療としては手術で人工弁置換や弁形成を行う必要があります。(水沢市・循環器科内科医師 石川 健)

 

 

★質問★

「帯状疱疹(ほうしん)」について、発症原因、症状、治療方法、日常の注意事項、後遺症などについて知りたいのですが。(水沢市 Oさん)

★答え★

水ぼうそうと同じウイルスでおこる帯状疱疹は、前者が主として小児の全身に小さな水ぶくれがたくさん出来るのに対して、大人の身体の片側(身体の縦半分に割って、そのどちらか)に帯状に並んで集中して、水ぶくれが出来るのが特徴です。しばしば神経痛のような強い痛みを伴います。

 発疹(ほっしん)が出てから三週間ほどで治りはしますが、高齢であったり、痛みが強かったり、発疹の部位が顔や頭、腕や脚だったり、発疹の広がりが広かったりすると痛みや障害が残りやすくなります。

 激しい痛みが残りやすそうな人には、特に抗ウイルス剤と言う特別な薬を、出来るだけ早めに注射したり、服用したり、あるいは入院の必要な場合もあります。また、疲れやストレス、内臓の病気のために抵抗力が落ちて発症するため、安静にした上で内臓の検査を受けておくことも大切です。

 初期の手当てが、その後の病気の治り方を大きく左右しますので、怪しいと思ったら信頼する医師に早速相談してください。

 なお、水ぼうそうにかかっていない人が身近にいますと、水ぼうそうの形でうつすこともあります。(水沢市・皮膚科医師 岩崎 雅)

胆江日日新聞社より